門松を創るにあたり、もっとも手に入れるのに力が必要で、加工するのに技術が必要で、立てるのに神経を使うのが竹です
門松とはいうものの、一般的に目にされるそれの最初に見る場所は竹ではないかなと思います
主役と言っても過言ではないこの竹が、もっとも準備に時間と労力がかかるのです
今年は例年より少し早く、11月の後半からその準備にはいりました
毎年何カ所か竹を切りに入らせて頂く竹薮があります
使う竹は孟宗竹(モウソウチク)
それも、今年生えた新竹や4、5年経った古い竹は使えないのでおおよそ2、3年ものの竹を選んで切り倒します
高さはおおよそ15m〜20mほどにもなる竹を根元からチェーンソーで両側から切り落とし、その竹を倒すために空いたスペースへ全力で走る
走る方向には障害物ばかり、
昨年以前に切った竹の株、古い枝、群集した細い竹、、、、
それらをかいくぐりながら全力で走ります
なんとか倒し終えた竹を今度は欲しい長さに切り、いらない部分についた葉や枝を綺麗に落とす
ようやく欲しい長さに切った竹はとても重く、長くて持ちづらい
それを一本一本手作業で足場の悪い中をトラックまで運ぶ、繰り返し、繰り返し。
そうして手に入れた竹は作業場へ運ばれ、さらに細かくされた後、皆さんが目にする斜めに美しく切られた顔が創られていきます
一基の門松を創るのに3つの竹が必要で、一対であれば6つ
300対近い門松を創るために、約2,000パーツに竹を切りまくります
冬の竹薮はひんやりなんて生易しさやないほどに寒く、竹は氷を持つように冷たい
なんとなく神聖な感じのする竹薮で、背筋がしゃきっとします
大変で大変で仕方のないこの作業が、実は意外と楽しくなってくるのはきっと頭が少しバカになっているからでしょう