
上手な観葉植物の育て方、第一回目はフィカス・ウンベラータをセレクトしました。
ウンベラータは、僕にとってとても思い入れのある植物の一つです。
それは、僕がこの仕事を始めたときより約3年程前、自分のお金で初めて買ったのが、このフィカス・ウンベラータだからです。
前置きが長くなって恐縮ですが、掲載している写真は、先日当社のカタログ撮影用に撮ったのですが、このウンベラータこそ、実は7年くらい前に初めて私が買ったものです。
何度も葉を全部落としたり、剪定したり、植え替えをしたりして形こそ変わっていますが、一度も枯れずにこれまで生きてくれています。
このフィカス・ウンベラータがここ数年、不動の高い人気を持っているのは、ハート形のかわいらしく美しい葉、白みがかかったスタイリッシュな幹、独特な樹形、見た目はもちろんなのですが、その育てやすさと成長の早さから何度でも復活できる強さが、長い間人気を保っている秘訣なのかもしれません。
水やり
ウンベラータは、比較的よく水を吸います。春〜秋は、土の表面がさらさらに乾いたタイミングで鉢底からじわっと水が溢れるくらいたっぷりとお水をあげます。
お水が足りていないと、葉にしわが出たり、ぴんっとせずしなっと垂れたりします。
そのような症状が出たら、たっぷりとお水をやれば、手遅れでなければ少し時間が経てば復活します!冬は根腐れを起こさないよう、水やりは控えめにします。
置く場所にもよって乾くタイミングは変わりますが、おおよそ1週間〜10日に1回程度のお水やりが目安になります。
冬場はそこから間隔をあけ、植物の状態を見ながら、お水やりをしましょう。
置き場所
ウンベラータは、明るい場所を好みます。お部屋の中の1番明るい場所、例えばリビングのカーテン越しの光が射すような場所が生育に適しています。
明るくない場所でも育てられない訳ではありませんが、新芽の色が悪かったり、葉がくしゃっとハリがなくなったりします。
明るい場所は好きですが、外の直射日光や、屋内でも真夏の日差しをガラス越しに直接受けると、葉が日焼けをしてしまいます。
これは、一度日焼けをするともう元には戻りませんので、注意!
エアコンが直接当たる場所は、避けるのがベターです。色が変わったり、状態を悪くしたり、乾燥から害虫の原因にもなります。
できるだけバルコニーや屋外などには出さずに育てるのがベストですが、どうしても出したい場合は、寒暖差の少ない春・秋などのベストシーズンに限り、真夏や真冬、気温の変わりやすい季節の変わり目は避けます。
風通しと葉水
光や水の条件が良くても、なぜか枯れてしまう、元気がないときがあります。そんなときは、風通しの良い場所かどうかチェックしてみましょう。
人間と同様、空気の淀んだ場所を植物は嫌がります。お部屋の窓を開け、風の通り道になる場所に植物を置くと、とても元気に育ちます。
逆に、エアコンなどの風は冷房暖房問わず、植物に直接当たらないようにします。
乾燥状態になりやすく、害虫発生の原因になりがちです。人工の風は葉に悪影響を与えます。また、空気が乾燥しているとハダニやカイガラムシが発生しやすくなります。
水やりのタイミングなどで、スプレーを使って葉の表と裏に霧吹きをしてみましょう。
適度な湿度は、植物の状態を良くし、防虫効果もあります。
冬場の寒い夜などに葉水をすると、気温の低下とともに植物を痛める原因になりますので、注意してください。
肥料と植え替え
プランターで植物を育てる上で、肥料は必ず必要になります。お水やりの度に、用土から養分が流れ出てしまうため、肥料で補う事が必要だからです。
固形肥料は遅効性のもので、水やりの度に土に染み込み、それが根に届き、養分を送ります。液体肥料は即効性がありますが持続性がありません。
すでに植物が弱っているときに速効性の液体肥料をあげることで、逆に植物の根を痛めてしまう事もあります。時間はかかりますが、遅効性の固体肥料をあげることをおすすめします。いずれにしても、真夏や真冬にあげることはせず、春〜夏前までに施肥しましょう。
植え替えは、プランター内で根が詰まってしまったときに枯れるのを防ぐために行います。これも肥料同様、春〜夏までに行う事をおすすめします。
今ある鉢から取り出し、根をほぐし、古い根っこを切って、新しい用土に植え替えます。(ホームセンターなどにある観葉植物の土で大丈夫です)
植え替える鉢の鉢底に4,5cm埋まる程土を先に入れてそこに根をほぐした植物を入れ、さらに上から土をかぶせてぐらつかないように固定します。
根詰まりしているかどうかの見極めポイントは、「水が土に染み込んでいかずすぐに鉢底から出てしまう」「鉢底から根が出ている」「新芽の色が悪い、葉の周りが変色している」などです。

剪定
ウンベラータは、とても生育が早い植物のひとつです。根っこさえ元気であれば、春先に葉をなくすような剪定をしても、夏頃にはふさふさになります。
節目の2,3cm上でカットするのが一般的です。逆に言うと、芽を出したい場所の2,3cm上でカットすると考えてもよいでしょう。
剪定も夏や冬には行わず、寒の戻りの心配がなくなった春に行うのがベストです。
